【Issue #15】Wicker Corduraから知る、CORDURA®ファブリック。

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チェコ・プラハ発のブランド“Braasi Industry”の中でも、あの格子状のストラップが目を引く「Wicker(ウィッカー)」って、とても洗練されててBraasiらしいバッグです。

建築家がデザインしたっていうだけあって、ミニマルで都会的な雰囲気が本当にたまらない。

でも、今回はバッグのデザインやスペックの話ではなく、そのタフなボディを支えている素材。
そう、みんな大好き「コーデュラ(CORDURA)」の話をしようかと思います。

「あぁ、あの丈夫なナイロンね」で片付けるには、あまりにももったいない。
実はこの素材、歴史を掘り下げるとめちゃくちゃ面白いし、実際に使う上での「リアルな罠」みたいなものもあるります。

今回は、スペック表には載らないコーデュラの裏話について、少しディープに書いてみようと思います。




#01 タイヤから始まった、タフすぎるルーツ

今でこそアウトドアやおしゃれなバッグの代名詞になっているコーデュラですが、誕生したのは1929年。なんと、最初はバッグ用じゃなくて「タイヤの補強材」でした。

アメリカのデュポン社が、軍用車両などのタイヤの芯に入れるために開発したのが始まり。
しかも当時はナイロンではなく、レーヨンという素材でした。
とにかく「熱に強くて絶対に破れない工業用素材」として生まれたわけです。

それが1960年代に、デュポン社が誇る超強力な「ナイロン66」にリニューアルされ、今のコーデュラの形になります。

ただ、当時はあまりに頑丈すぎて、大きな問題がありました。
「色がまったく染まらない」。繊維の密度が凄すぎて、染料が中に入っていかない。

そんな不器用な優等生のコーデュラですが、1970年代後半にようやく染色技術が確立され、そこからEast PackやJANSPORTなどのバッグブランドが目をつけ、一気に私たちの身近な存在になりました。




#02 なぜみんな、ここまでコーデュラを信奉するのか

よく「普通のナイロンの7倍の強度」なんて言われますが、これは本当に伊達じゃない。

コンクリートの地面にガシガシ擦りつけようが、満員電車で揉まれようが、ビクともしない。しかも、何年使っても「買ったときのシャキッとした佇まい」が全然崩れない。
キャンバス生地(帆布)みたいに色褪せることもないし、普通の安いナイロンみたいにヨレヨレになって型崩れすることもない。

革や厚手のコットンでこの耐久性を出そうとすると、バッグ自体がめちゃくちゃ重くなってしまうのですが、それをこの軽さで実現しているのが、やっぱり唯一無二だなと思います。

とはいえ、良いことばかりじゃない。




#03 リアルな弱点と注意点

ここまで絶賛してきましたが、実際に使っていると「ここはちょっと……」と思うリアルな弱点もあります。ここからは、買う前に絶対に知っておいた方がいいポイントです。


1. お気に入りの服を傷つけるときも
コーデュラ(特に500Dや1000Dといった厚手のもの)って、表面が結構ザラザラしています。
これがウールコートや柔らかいニットを着たままバッグを背負って歩くと、摩擦で服の側に毛玉ができたり、最悪の場合は生地が傷んだりします。
お気に入りの服を着る日は、背負い方にちょっと気をつけた方がいいです。


2. 日本の夏が天敵。「加水分解」のベタつきと臭い
コーデュラの裏側には、防水性を高めるためにポリウレタン(PU)コーティングがされていることが多いです。
これが、日本の高温多湿な環境だと、5年〜10年くらいで化学反応を起こして劣化してしまいます。
通称「加水分解」。
内側がなんだかベタベタしてきたり、最悪の場合、銀杏のような、いわゆる「ウ○コ」のニオイがしてきたりします。アメリカンルアー好きには慣れ親しんだプラノケースを空けたときのヘドンのニオイです。

「一生モノ」と思われがちですが、裏地のコーティングに関しては寿命がある、ということは頭に入れておいた方がいいです。


3. 火にはめちゃくちゃ弱い
どれだけ引き裂きに強くても、正体はナイロン(プラスチック)です。
キャンプで焚き火をしていて火の粉が飛んできたり、タバコの火がちょっと当たったりするだけで、一瞬で溶けて穴が空きます。
アウトドアやストリートで使うときは、火気だけは要注意ですね。





#04 コーデュラと長く付き合うための「3つのコツ」
じゃあ、お気に入りのBraasiを少しでも長く、綺麗に使うにはどうすればいいのか。ちょっとしたコツをまとめました。


①汚れても「丸洗い」は絶対NG

汚れたからといって洗濯機に放り込むと、裏の防水コーティングが一発でボロボロになります。
正解は、水に濡らして固く絞った布で、トントンと叩くように汚れを落とすこと。
ちょっとした黒ずみくらいなら、実は「プラスチック消しゴム」で擦るとあっさり落ちたりします。


②クローゼットの奥に眠らせない

先ほど書いた「加水分解(ベタつき・臭い)」を防ぐ最大の対策は、とにかく風通しの良い場所に置くこと。
「最近使ってないから」とビニール袋に入れてクローゼットの奥深くに押し込むのは一番ダメです。
たまには部屋干しして空気に触れさせてあげてください。中に乾燥剤を入れておくのも効果的。


③定期的な「防水スプレー」が最強の盾

もともと水には強いですが、定期的に衣類用のフッ素系防水スプレーを振っておくのがおすすめ。
水を弾くだけじゃなく、ドロ汚れや油汚れが繊維の隙間に入り込むのを防いでくれるので、結果的に生地の寿命がめちゃくちゃ伸びます。





#05 洗練された見た目と、ゴリゴリのタフさのギャップ

Braasi Wickerの魅力って、建築家が手がけたプラハ仕込みの洗練されたミニマリズムです。
一見すると、すごく繊細で都会的なデザイナーズバッグに見える。

だけど、その骨組みを支えているのは、かつて軍用車両のタイヤを支え、数々の過酷な戦場やアウトドアを生き抜いてきた「コーデュラ」。

この「美しき外見と、タフすぎる中身」のギャップこそが、僕たちがBraasiを相棒に選びたくなる、本当の理由なんじゃないかと思います。


 

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